色にまつわる物語

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赤色のスーツを着て壁紙、絨毯、机、全てが赤色で統一された部屋に男はいた。
「結果は見るまでもない。今年は我が社の色が選ばれる!去年は青色に出し抜かれて紅潮したものだ!」
 年始めに発表されるシンボルカラー。
色の三原色の中から決められ、その色が一年中使われる色になる。
赤色の染色を生産する会社の社長として男はさんざん手を尽くした。
「大体、青はいかん!顔面蒼白と不健康だ!」
赤い煙草を吸っている所に部下がすっ飛んできた。
「社長!大変です!」
「なんだお前は!顔面蒼白で!今年は赤色で間違いないのだから紅潮させろ!」
「それがですね!我が社の審査員の買収が極秘裏に露見して、旗色が悪くなったのを知った担当者が裏切りました!」
「なんだと!それで今年の色はどうなるんだ!?」
「黄色です!担当者に裏切るように賄賂に色を付けたらしく、それがただの黄色でなく、きに「ん」をつけた金色を渡されたらしく」
その他
公開:23/07/01 20:42

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