ねこのゆめ

少し前まで不眠症に悩まされていた私だが、ここ最近は良く眠れる。
それは猫の夢のおかげだろう。夢の中、大きな猫がモフモフと私を包んでくれる。
温かい…気持ちいい…肌触りも最高…
さらに猫は一匹だけではない。大きな猫もいれば小さな猫もいる。
抱き枕にぴったりの猫もいれば、私の肩や腰をフミフミしてくれる猫もいる。
だから私は寝る。眠り続ける。
辛い現実から目を背ける為、猫のように惰眠を貪り続けた。
夢の中の猫はいい。現実の猫と違って鳴かない。現実の猫と違っていい匂いがする。
現実の猫は煩いし臭い。気が付けば増えているし、勝手に死んでいる。雄と雌を一緒に飼うんじゃなかった。
飼育崩壊？知らない。何で私が逮捕されなきゃいけないんだ？
現実を受け入れられない。だから眠る。もう二度と目覚めなくていい。
夢の中、猫が嗤う。逃げられないよう私をしっかり抱きしめるとガスを吐き、苦しむ私をゆっくり道連れにした。