知らない自分

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「っ!?」
急に意識が戻る。俺は何故かスコップを握っていた。目の前には深い穴。「おい、早く埋めるぞ」声をかけてきたのは知らない男。俺と同じくスコップを持ち、土を穴に放り込んでいた。「それにしてもまさかお前と人を埋める日が来ようとはな」男は笑っていたが俺は苦笑いしか返せない。
(何を埋めてるだって?)
頭が混乱していた。俺は穴の中をそーっと覗いてみた。もう顔は土で埋まっているが、四肢は確認できた。
(あのネックレス…!)
埋まっていない手には見覚えのあるネックレスが掴まれていた。あれは彼女にあげたものだ。慌てて穴に入り手を握る。しかしその手はゴツゴツしていた。「もしかして未練でもあるのか?」男はニヤニヤしながら話しかける。「しかし邪魔だから殺したいとか本当に怖い女だよ」男はタバコ吸ってくるといい車の方へ歩いていった。
俺は恐る恐る土を払う。そこにあったのは苦しみに歪む自分の顔だった。
ミステリー・推理
公開:23/06/24 08:11

リマウチ

超ショートショート書いていきます

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