納まらない男
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                                「おれはこんなに小さな箱には納まる男じゃない。こんなところで終わるのはごめんだ」
同期が引き留めるのも聞かず、そういってユキヒコは会社を飛び出した。工場で毎日同じような製品を作る毎日に嫌気が指したらしい。
ユキヒコは大柄かつ剛力なので、工場長も重宝していた。新製品の企画もそのうち任せるからと遺留したのだが、ユキヒコの企画が3連続で没になったところで、ついにしびれを切らして飛び出してしまった。
そして、ユキヒコは新しい工場を建てて社長に就任した。
そこで自分が、納得がいく製品を作り始めた。彼はその出来栄えに満足した。
「おれは何せ大きな男だからな」
彼は何度もうなずいた。身長2メートル用の巨大棺桶を目の前にして。
    同期が引き留めるのも聞かず、そういってユキヒコは会社を飛び出した。工場で毎日同じような製品を作る毎日に嫌気が指したらしい。
ユキヒコは大柄かつ剛力なので、工場長も重宝していた。新製品の企画もそのうち任せるからと遺留したのだが、ユキヒコの企画が3連続で没になったところで、ついにしびれを切らして飛び出してしまった。
そして、ユキヒコは新しい工場を建てて社長に就任した。
そこで自分が、納得がいく製品を作り始めた。彼はその出来栄えに満足した。
「おれは何せ大きな男だからな」
彼は何度もうなずいた。身長2メートル用の巨大棺桶を目の前にして。
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      公開:23/06/21 11:14      
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                           齊藤 想
齊藤 想