カラスの遊び

カラスが遊園地の滑り台で遊んでいる。カラスは頭がいいと聞いたことがあるが、その通りだ。
見上げると、遠くでは雨が降っているようだ。向こうの空には虹が出ている。
虹をよく見ると、何かが虹を滑り台にしている。虹の下まで来ると羽ばたいて頂上に戻る。
何と、虹を滑り台にしているのはカラスだった。
赤い滑り台の次は橙色の滑り台だ。七色の滑り台を順々に滑り、楽しそうに遊んでいる。
だが突然、大きなタカが現れた。カラスを狙っている。
カラスは滑ることに夢中で気がつかない。
チャンスと見たタカは急降下して……カラスを一気に捕まえた。
カラスは必死で羽根をバタバタしたが逃げられない。
タカは両爪でカラスをつかんだまま虹から離れようとした。
その時、タカは虹から出てきた大きな手に捕まえられた。
虹は言った。
「カラスの遊技料はあなたが代わりに払ってください」
タカはカラスを放し、あわてて逃げて行った。