伸ばし放題

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チョキチョキチョキチョキ
「う、うわあああ」
俺は絶叫して椅子と共に横から倒れる。
音を出した張本人は呆れ顔で俺を見ていた。
「全く。今日こそ克服するんじゃなかったのかよ」
「はぁはぁ…いやきついって」
俺は倒れたまま呼吸を整えていく。
「しかし大変だよな。ハサミの音を聞くのが怖いなんてな」
そう。俺はハサミが大の大嫌いだ。幼稚園の頃ふざけていた友達が投げ飛ばしたハサミが脳天に刺さってから見るのすら怖い。特に大事に至らなかったが幼心に与える恐怖としては充分だったようだ。正直ハサミが怖いとて日常生活に困ることはない。なにか切るにはカッターなどの代用品もあるし、そもそもそんなに切る機会などない。
ただ唯一大の大問題がある。それが…
「ああ、前が見えねぇ」
重力で髪が顔に張り付く。それこそ表情などわからない程。
「くそ!いつになったら俺は髪が切れるんだ!」
「うるせぇ!そろそろ立て!」
その他
公開:23/06/16 17:59

リマウチ

超ショートショート書いていきます

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