図書館廃止に困る人たち
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我が街の市議会がこのほど市立図書館の廃止案を定例会で可決した。財政難のため市の中心部にある図書館の土地を建屋付きでデベロッパーに売却し、数年後には高層マンションに変わるという。市の公報によると、その代わりに市はオンラインで電子書籍などが借りられるバーチャル図書館を整備し、文芸や学術、教養などに対する市民のニーズに引き続き応えていくとしている。もちろんすぐに保護者や教育関係者から反対意見が噴出した。だが、誰よりも強く反発したのは年金受給世帯の男性たちだった。
「オレたちの居場所が存続の危機に晒されている。もし本当になくなっちゃったら一体どこに行けばいいんだ」
駅前で反対のノボリ旗を掲げる高齢の活動家が今にも泣きそうな顔で言った。五年前に定年退職した後、彼やその仲間は毎朝、図書館で新聞や雑誌を読むのが唯一の楽しみになっているそうだ。「図書館ってのはね、本を読むためだけにあるものじゃないんだよ」
「オレたちの居場所が存続の危機に晒されている。もし本当になくなっちゃったら一体どこに行けばいいんだ」
駅前で反対のノボリ旗を掲げる高齢の活動家が今にも泣きそうな顔で言った。五年前に定年退職した後、彼やその仲間は毎朝、図書館で新聞や雑誌を読むのが唯一の楽しみになっているそうだ。「図書館ってのはね、本を読むためだけにあるものじゃないんだよ」
その他
公開:23/06/16 01:22
更新:23/06/16 01:47
更新:23/06/16 01:47
2022年から米国在住。
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