タベストリー

スーパーの野菜売り場にタペストリーが売られている。
何これ？売り場間違えていない？
「いえいえお客様。間違ってないですよ。こちら、壁にかけるタペストリーではなく、食事にかけるタベストリーです」
店員の指摘に表示を確認する。…ほんとだ。tapestryじゃなくてtabestryになっている…だから何？
「タペストリーは織物。タベストリーは食物繊維で出来ているんです。食べる芸術として今、注目されているんですよ」
それは面白い。試しに買ってみよう。柄はどれがいいかな…
息子にも聞いてみる。ちょっと反抗期なのか、ガムを嚙み続けている。
恥ずかしいから店内ではやめて！
ぷ～っとガムを膨らませる息子。丸いそれには地球のような模様が浮かんでいた。
「おや、息子さんはタベストリーガムを食べているようですね。お味はいかがですか？」
『アメリカの部分が美味しい』
息子の答えにタベストリーの奥深さを思い知った。