珍ウルトラマン

昼下がり、ピンポーンと鳴ったのでドアを開けるとウルトラマンが立っていた。近所で着ぐるみイベントがあるんだ、何の用？と聞くと「シュワッチ」と答える。それで？と聞くと「シュワッチ、シュワッチ」と言って手にした鞄を開けて何かを買えという。「ああ、タイマーね、何、三分間タイマーじゃん？」「シュワッチ」「買わないわよ」と冷たく断るとウルトラマンは顔色が悪くなった。「三分たったから？早く帰りなよ」「シュワッチ…」どうやらタイマーが売れないと帰れないみたいだ。かわいそうだから買ってあげると途端に元気になってシュワッチと喜ぶ。「でも押し売りはダメ。警察に言うよ」と言うとまた顔色を変えてうずくまる。今度はかなり苦しそう。「仕方ないわ。もう一つ買ってあげるから元気出しなさい」と二つ目を買うと「シュワッチシュワッチ」と彼は帰った。

翌日の昼下がり、ピンポーンと鳴った。ドアを開けるとウルトラマンタロウだった。