5
5

初恋の人と放課後に見た夕日、部活の引退試合で流した悔し涙、初任給で贈り物をした時の両親の笑顔。そんな思い出の合わさった菓子が、私の目の前にある。

昨日、通勤中にSNSで「今日は和菓子の日」という文言と、美しい和菓子の写真の数々が目に入ってきた。仕事終わりに買って帰ろうと思ったのだが、残業でそんな余力は残っておらず、結局まっすぐ帰宅した。
翌日、和菓子がどうしても食べたくて、休日にしては珍しく早起きをし、街へ繰り出した。すると、雰囲気のよい和菓子屋を見つけた。店へ入ると、大福の皮のように包容力のあるお婆さんが温かく出迎えてくれたので、早速和菓子を…と思ったのだが、どこにも見当たらない。困惑していると、

「私は、お客さんの思い出を聞いて、その思い出を足してお菓子を作るの。ほら、足し算の合計は[和]って習ったでしょう?あなたの思い出の和を、私はお菓子で表現するの。だから、和菓子ってね♪」
その他
公開:23/06/17 23:12
更新:23/06/17 23:15

ネモフィラ(花笑みの旅人)( 気の向くまま )

読んでくれてありがとう!

寒い季節になったから、気が向いた時にふらりと立ち寄ってゆるーく投稿しています。

 

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容