仕事参観日

子どもの授業参観日がある様に、働く親の姿を子どもに見てもらう為の仕事参観日がある。
だが、私に興味のない子ども達は来ないどころか、我が家の犬を参加させた。
家と同じように犬は私を見下す。犬は序列に厳しい生き物だ。今日、格下の私の仕事ぶりを見て何を思う事やら…
上司も私の仕事を参観するのが犬と知り、これ幸いにと部下の謝罪を私に同行するよう言った。
今日は謝罪行脚か…まあ、問題を起こした部下が反省しているのならいい。こんな薄い頭で良ければいくらでも下げてやろう。
問題を起こした部下を連れ、相手会社に向かうと怒りを納めてもらうよう謝罪を繰り返す。
部下に大丈夫だ、と励ましては多くはない小遣いから昼食を奢る。
会社に戻ってからも各部署に何度も頭を下げる。こんな情けない姿を犬はどう見ているだろう？
犬は私に寄り添っていた。その姿はまるで群れのリーダーに従うかのようで、私も少しだけ自信を取り戻した。