ドクダミー

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今日も雨。連日の残業で身体も気分も重く、なんとなく仕事へ行きたくない。
ノロノロとベッドから抜け出した私は、ボサボサ髪にスエットのまま、ベランダにあるプランター達の元へ向かう。ミニトマト、枝豆、しそ…。スクスクと育つ野菜達に少し元気をもらいつつ、私は隅でひっそりと咲く小さな白い花に手を伸ばす。「ドクダミー」だ。
ドクダミの花にそっくりなドクダミーには、花が摘んだ人と瓜二つの姿になり、1日だけ自分の「ダミー(替玉)」になってくれるという能力がある。摘んだ時の独特な香りが残った手を合わせ、目の前の私に身代わりをお願いすると、笑顔で頷き会社へ行ってくれた。
翌日、ドクダミーのおかげで休息をとれた私は、軽い足取りで会社へ向かった。すると、いつも疲労困憊の同僚達が健康的な顔色で挨拶してきた。

「おはよう!いやぁ、昨日君が皆に淹れてくれたドクダミ茶、最高だったよ!おかげで、今日は絶好調だ!」
その他
公開:23/06/10 15:48
更新:23/06/10 15:51

花笑みの旅人( 気の向くまま )

ページを開いてくださったあなたに感謝です(⁠◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠)/

7月は時々投稿するかもですが夏休み継続中。お酒、温泉たまご、冷奴、枝豆、アイスあたりが最近の生きる希望ですねぇ

※更新されると消えてしまう感じを私は好んでいたのかもしれないと気づいたので、基本的にラジオ関連の作品は今後公開しないと思います〜

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