ボスには通用しない

敵対組織の狙撃手がボスへと銃弾を放つ。
が、ボスは銃弾をものともしない。ボスには通用しない。
ボスは厳格な男だ。冗談の通用しない堅物。
そもそも冗とは、無駄であり、不必要であり、煩わしい事を意味する。
ボスに冗の塊である狙撃が通用しないのは当たり前だ。
「こんな玩具で儂の命を奪えるとでも？冗談も程々にしろよ」
ほら、この通り。
敵対組織もこの程度でボスの命を奪えるとは思ってはいない。
それでも万が一の可能性にかけて狙撃を行い、今に至る。
そんなボスだが実は唯一弱点がある。
ボスに冗談は通用しないが本気は通用する。
ボスの奥さんは、ボスだけを一途に愛し、そのハートを撃ち抜いた。
これがどういう意味か分かるか？
ボスにはハニートラップなんてものも通用しない。浮気心を奥さんに殺されたからな。
色仕掛けなんて、愛妻家のボスにとっては冗談そのものさ。
もしボスを殺す気なら冗談なんて捨てて本気で来な。