それは手作業

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 神々はそれぞれ決まった職務を持っている。星神の仕事は毎晩夜空に星をばらまくことだ。長年その務めを果たしてきた星神の腕前はそれは見事なもので正に職人芸。籠の中の星をザアッと撒くと無数の星々が全部ピタリと所定の位置に収まる。寸分の狂いもない。そうして一瞬で星空はできあがるのだ。

 数十億年ものあいだ休まず星を撒いてきた星神もそろそろ引退の時が近づいている。後は弟子に仕事を引き継いでもらわなければならない。だから経験を積ませるために、星神は弟子に星撒きを任せることがある。

 残念ながら弟子の技能は親方には及ばない。幾つかの星が、あるべき場所からちょっぴりずれてしまう。夜空を見上げて今日のあの星座はなんだか歪んでいるなと感じることがあったなら、その夜は弟子が星を撒いたに違いない。
 なに、心配は無用。弟子もいつかは親方の域に達する時がくる。だから今は、気付かないふりして黙っておいてあげよう。
ファンタジー
公開:23/06/09 09:50

真木真

上限400字。
普通に書く。文字数オーバー。削る。まだオーバーしてる。さらに削る。
そんな作業も楽しいです。
よろしくお願いします。

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