スクイーズ

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 男の前で若者は箱のふたを開けた。
「そいつはなんだい?」男はいった。
「ぼくに聞いているんですか?」若者はいった。
「うん、きみに聞いているんだ」男はいった。
 若者は黙り込んだ。
「本物なのか?」男は鑑定士に聞いた。「もし偽物なら、頭からウィスキーだ。そいつもろとも、ウィスキーでびしょびしょ」
 鑑定士は品定めした。グラスにウィスキーを注いで、床へこぼした。
「本物です」鑑定士はいった。
 若者は安堵した。
「おい! そんなところにウィスキーをこぼすなよ!」男は鑑定士を怒鳴り付けた。

「スクイーズが通ります! 道をあけなさい!」
 四角い灰色の車が後ろから走ってきた。若者は避けきれず、かすってしまった。スクイーズは若者の横で止まった。灰色の窓が開いた。中から誰かが若者に話をしていた。反省しなさいとお説教をしているように見えた。
その他
公開:23/06/02 11:26
更新:23/06/02 11:33

ねこのひげ( ファンタスティック王国 )

エブリスタでも別名で四百字未満シリーズ書いています。こちらにもお邪魔します。

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