予感

「あの二人、付き合いそう…」
新学期。学年が上がり、新しいクラスメイトの顔ぶれを見てそう呟く。
案の定、付き合いそうだと思っていた二人は1カ月後には付き合い始めていた。
「あの二人は別れそう…」
案の定、学年が上がる前から付き合っていた二人だが3カ月後には破局したと聞いた。
私はこの二組と面識があったわけではない。ただ、分かってしまうのだ。
誰と誰が付き合うか、どのカップルが別れるか。
私にもよく分からない。直感というか、予感というか、何となくそんな気がしてしまう。

「それ、お婆ちゃんのせいよ」と母。
「お婆ちゃんね、恋のキューピットだったの。その恋のキューピットがお爺ちゃんに恋をして、私が生まれたの。でもお母さん、お爺ちゃんの血が濃かったからかな？そういうのさっぱりなの。でも貴方はお婆ちゃんの血が濃いみたいね」
アーチェリーの県大会に向かう車の中、私は母から衝撃の事実を聞かされた。