いたでん

「ハイ、もしもし」
「いたでん」
「はっ？」
「いたでん」
「いたでん？」
「いたでん、いたでん」
「いたずら電話ってこと？」
「いたでん」
「あ～。あのね。あんたと付き合ってるほどオレ暇じゃないの。用件無いなら切るよ。」
「いたでん！！」
「ナニ？切るなってこと？」
「いたでん」
「こんなことやってて、楽しい？」
「いたでん」
「そうでしょ、楽しくないでしょ。あんた仕事は？」
「いたでん」
「ナニ、無職？こんなことしてないでちゃんと働きな。ねっ。」
「いたでん」
「じゃあ、切るよ。」
「いたでん！！いたでん！！」
「ナニ？また、電話かけても良いかって？」
「いたでん」
「あー、いいよ。なんかあったら、またかけてきな。」
「いたで～ん」
「泣いてるの？まあ、みんなイロイロあっても頑張って生きてるんだから、あんたも頑張りなよ」
「いたでん」
「じゃあ、切るよ。」
ガチャン〈完〉