結婚エクスプロージョン

2
8

大学図書館のリサイクル市で、小口絵の美しい本を見つけた。その本に、二人の手が同時に触れた。私と、私と年の近そうな男の人。ラブコメの波動を感じるや否や、奥手な私はすかさず手を引っ込めた。
すると彼が「どうぞ」と言って本を譲ってくれた。聞けば読む気はないらしい。使い道を聞くと、「遺書を挟んどく」と言った。私はそれがとても素敵なことのように思えて、やっぱりその本を諦めた。

それから数年経って、彼がピザ屋さんを開いた。プレオープンに招かれていくと、お客さんは私一人で、ピザを焼く石窯の横に、あの本を見つけた。思わず手にとらせてもらうと、本には一通の手紙と、リングが挟まれていた。手紙には、「俺とリア充になろう」と書かれていた。
「このリングは?」
「手榴弾のプルリングだよ」
彼が私の左手薬指にリングを嵌めると、石窯が爆発して、私たちもエクスプロージョンフォーエヴァー
恋愛
公開:23/05/31 11:02
お茶祭り

10101298

書き手さま読み手さま、私の名前が読めない皆さま。交流大歓迎です!
https://twitter.com/1o1o1298

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容