予感

「ドスえも～ん！」
「どうした、のぶん太」
「この退屈な毎日に終止符を打ちてえんだ。なんとかならねえかな」
「しょうがねぇなのぶん太は」
ドスえもんは、四次元ジュラルミンケースからブツを取り出す。
「予感スプレ～！」
「なんだその制汗スプレーみてえなやつは」
「制汗スプレーと違って、こいつは予感を増幅させるんだ」
「予感を増幅！」
のぶん太はシューっとスプレーを吹き付けた。
「おや？　なんだいこの、胸に湧き上がる甘酸っぱい気持ちは」
「早速上物が来たな。そいつは恋の予感だ」
「恋の……？」
「やめろ！　キラキラした目で俺を見るな！」
「違うのか」
「お前はそれでいいのか」
「よし、それじゃ今から恋のハンティングに繰り出すぜ！」
「言っておくがあくまで予感がするだけ、行っちまったか」
ドスえもんは窓から外を眺める。
「嫌な予感がするぜ」

数時間後、警官に土下座するのぶん太の姿があった。