イガ栗の悩み
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この学校の生徒には、人ではないイガ栗君がいる。級友と同じ背の高さで、話もできるが植物だ。
イガ栗君には悩みがあった。
からだ全体から硬くて長いイガが飛び出していることだ。友達とはイガが邪魔して親密な仲になれない。
ある日、イガ栗君は諺を思い出した。
「そうか、腹を割って話をすれば仲良くなれるんだ」
翌日、イガ栗君は友達に話しかけたが、イガを怖がって他人行儀な返事ばかりする。
「それじゃ、思い切って」
そう言って、イガ栗君は腹を両手で縦に割り、大きく開けて友達に見せた。そして友達のすぐそばまで近づいた。
友達は満面の笑顔に変わった。
次の瞬間、イガ栗君の腹に両手を突っ込んだかと思うと、友達は栗を抜き取った。
「大きな栗をもらったよー」
と言いながら、遠くへ逃げて行った。
イガ栗君は悟った。
「腹を割って話す」は、イガ栗ではなく人間が作った諺だったと。
イガ栗君には悩みがあった。
からだ全体から硬くて長いイガが飛び出していることだ。友達とはイガが邪魔して親密な仲になれない。
ある日、イガ栗君は諺を思い出した。
「そうか、腹を割って話をすれば仲良くなれるんだ」
翌日、イガ栗君は友達に話しかけたが、イガを怖がって他人行儀な返事ばかりする。
「それじゃ、思い切って」
そう言って、イガ栗君は腹を両手で縦に割り、大きく開けて友達に見せた。そして友達のすぐそばまで近づいた。
友達は満面の笑顔に変わった。
次の瞬間、イガ栗君の腹に両手を突っ込んだかと思うと、友達は栗を抜き取った。
「大きな栗をもらったよー」
と言いながら、遠くへ逃げて行った。
イガ栗君は悟った。
「腹を割って話す」は、イガ栗ではなく人間が作った諺だったと。
ファンタジー
公開:23/05/31 22:28
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