親マッチング制度

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20XX年。
この国では労働力が不足し、衰退していた。すべては少子化による若い労働力が無くなってしまったからである。子が産まれても、親による虐待などにより、労働力になる子が正しく育たないことや、若くして自ら死を選ぶことがほとんどであった。

すべては子は親を選べないことが原因であった。

そういった問題を解決するため、政府は産まれてくる子が親を選べる制度を確立するため、研究を行った。研究は10年の歳月を費やしたが、無事成功し、子が精子の段階で、親を選べるようになった。研究者と総理大臣は、これでまた、労働力が増加し、この国も中興することができると、手を叩いて喜んだ。

政府はこの制度を「親マッチング制度」と呼んだ。

20XX年、親マッチング制度が施行されてすぐ、子が全く産まれなくなり、この国は滅亡した。
その他
公開:23/05/23 14:22
更新:23/05/23 15:39

四季X13( 九州 )

小説が大好きなナマケモノ。
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短編、ショートショートが大好き!

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