鬼嫁と言ってすみません。

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「鬼嫁」

残酷で無慈悲な嫁を罵っていう語。辞書にはこう載っていた。このあとに「私の妻のことを云う。」と追記したい。
そんな話をしたのは、同僚と二人で飲みに行った時のこと。妻がママ友たちに、私の悪口を言っていたため、私も負けじと同僚に先の話をした。同僚は手を叩いて笑っていたが、鬼嫁具合は笑ってられるものではない。

「どこほっつき歩いているの?!」妻からのメール。
そんなメールを放っておいて、午前1時まで飲み明かした。

オレが帰宅すると、玄関で待っていたのは、妻ではなく、本当に赤い顔をした鬼だった。角が二本、もじゃもじゃ頭で目は憎悪の青い炎を燃え上がらせている。

「メール無視して、どこほっつき歩いてたんだ!」
「娘を寝かしつけるのは、お前の仕事だろうが!」
「給料安いくせに、遅くまで飲むなよ!」

同僚の前では、威勢よくしていたオレも、この鬼の前では、即座に土下座をしていた。
 
その他
公開:23/05/22 15:15

四季X13( 九州 )

小説が大好きなナマケモノ。
執筆に挑戦中。
短編、ショートショートが大好き!

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