カル茶ー　～４６歳、部長の儂がお茶くみをする理由～

お茶くみと言えば昔は若くて可愛い女性社員がやる仕事だったが、今は儂の仕事だ。
お茶を淹れては、若い社員へと渡していく。
最初は遠慮していた若い社員も今ではすっかり儂の淹れる『カル茶―』の虜だ。
渋味を効かせたカル茶ーに「エモいっすね」と返してくる。
今、昭和から平成初期にかけての文化が若者にウケている。儂の淹れるカル茶ーはそんな文化の味がする。
カル茶ーは淹れ方一つで味が大きく変わってくる。
以前若者に寄り添う為、若者受けしそうな感じで淹れたところ「おじさん構文みたいな気持ち悪さが滲み出ている…」と言われた。知らんけど。
儂も時折、若者が淹れてくれるカル茶ーを頂く。
若者文化を知る事でスマホの最新アプリをも使いこなすイケおじの儂。
これこそまさに異文化飲みニケーション。
だがあまり若者文化に染まりすぎると若者ぶったジジイと言われるかもなので、文化に飲まれないように気をつけなくてはならない。