おひとついかがですか？

「おひとついかがですか？」と強面の男が針千本入ったコップを差し出してくる。
…うん。喉に違和感を感じる。さすが噓ついたら飲ませる針千本。体に害はないとはいえ、飲み干すと罪悪感をチクチクと刺激し始めた。
今日ついた嘘は、私が思っている以上に気になるものだったらしい。
明日、噓だった事を告げて、相手にちゃんと謝ろう。そうすれば、針千本のチクチクが胸のモヤモヤを風船のように割ってくれる。
さすが地獄直営店の飲む針千本。自身を見つめ直すにもってこいの品だ。
私は強面の男に百円を支払った。すると喉の違和感と罪悪感への刺激が徐々に収まってくる。
地獄の沙汰も金次第。地獄の鬼である強面の男にお金を払う事で針千本の効果は抑えられる。百円なら１日ってところだ。
折角だし、飲む針千本を１本買っていくとしよう。
ウチの息子、本当に勉強しているのか、これ使って問いただしてやらなきゃ…