造花でいっぱい

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造花も生殖能力が身につくようになった。養分も水も要らず、どんどん繁殖していくのだ。手間が要らないと、ロボは造花の方を好んだ。
だがやはり造花は少し冷たい感じがする。人間は血の通った従来の花を好んだ。
人間は人口が半減し、後の半分はロボが生息する時代だ。ロボの方が作り物の方を好んだ。
ロボも生殖能力を持ち始め、自我を持ち市民権を主張するようになった。国や会社としても労働力不足で悩んでいたので、これ幸いとロボの人権を認め働かせた。長い目で見ればロボの方がコストも安いし長年雇うことができるということで、ロボを重宝して雇う会社も多くあった。
だが人情の機微を察することに関しては、人間の方が優れているので人間もまだまだ活躍していた。しかし将来ロボたちが人間は要らないと判断し、人間たちを根絶やしにして造花や作り物の自然で、大地や空をいっぱいにするといった未来がやってくるのかもしれない。
SF
公開:23/05/10 15:51

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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