愛が冷める薬

愛が冷める薬というのが開発された。ストーカー被害対策で、加害者に飲ませれば被害を食い止めることができるだろうという主旨である。
被害に悩まされている人にとっては朗報で、ストーカーと認定された人に警官が飲ませた。
加害者は自己の今までの愚かさに気づいた。自分は偏った思い込みや、変なプライドで人を傷つけてきた最低の人間だった。これからはもっと世のため人のために生きるぞと、仕事やボランティアに励むようになった。
自発的に心から善行をするようになったため、周りからも一目置かれるようになり異性からも好かれるようになった。その結果健全な付き合いをして、幸せな家庭を築く人が多かった。
被害者は複雑な思いを抱く人がたくさんいた。何よ私に付きまとっていた時は最低なことをしていたのに、薬の力を借りて自分だけ幸せになるなんて狡いじゃないと思った。
薬欲しさにストーカーをする人もいた。恋愛に貪欲な人は増えた。