おひとついかがですか?

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草木も眠る丑三つ時。人払いをした離れで儂は越後屋と密会する。
「お代官様。こちら、いつもの山吹色の菓子でございます。ささ、おひとついかがですか?」
越後屋の差し出す箱を受け取る。ずっしりと重い。普通の菓子ではありえない重さだ。
こらえきれず口の端が緩んでくる。箱を開け、包みを開くと黄金色に輝くそれに目を奪われる。
「如何ですか?」
越後屋の問いに儂は答えられない。美しすぎる最中が儂を夢中にさせる。思わず齧り付いた。
もち米農家め…また腕を上げおったな!
豆問屋もやりおるわ。上品な甘さの餡が口一杯に広がる。ずっしりと重い餡子が全身へと行き渡る!
妻と医者からは甘いものを控えるようにと散々言われている。
夜中にこんな甘いものを食べていたと知られたら何と言われるか…だが、この背徳感がたまらんのよ!
『馳走であった』
儂は懐から金子を取り出すと越後屋に渡し、米屋と豆問屋によろしく伝えるよう言った。
公開:23/05/08 21:01

幸運な野良猫

yahoo!サーバーに問題が発生したらしく2022年9月1日より2週間入れなかったので新規にアカウント取得。
半年以上毎日Yahoo!IDでログインを試みるも、現在進行形でログインできない状態です。#EY003って何だ?
運営に報告するも、ずっと無視されております。自動応答メールだけが返ってくる…1年経過で、もう諦めた…

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