おひとついかがですか？

休日も平日も関係なく仕事に追われる日々。
休む時間が欲しい…そう願う私の前に時の神様が現れた。
『１時間、時間を停止させるストップウォッチ。おひとついかがかな？』
私はそれを受け取ると仕事中にも関わらず、すぐ押した。
時計の針が、忙しく動き回る後輩が、世界の全てが動きを止めた。ストップウォッチのみ、動いている。
てか、私の体も動かないんですけど…どうしよう？こんな状態でやれる事と言ったら寝るくらいしか…ああ、そういう事か。
私は時が止まった世界で目を閉じ、１時間仮眠を取った。

「先輩、大丈夫ですか？」
１時間経ち、世界が再び動き出したところで後輩が心配そうに聞いてきた。
「先輩。どうしても休みたい時が来たら私に言って下さい。実は私、時の神様から時間を止められるストップウォッチもらったんです」
後輩が見せてきたそれは、私が手に持っているものと同じだった。
これって、特別なものじゃないんだ…