おひとついかがですか?

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呪術師の私の前に頭蓋骨が置かれる。
店主はニタリと笑い、黄ばんだ歯を見せつけた。
「こいつはかの有名な平将門の頭蓋骨でさぁ…その伝説は当然、知っていますよね?」
こくり、と頷く。
「でしたら話は早ぇ…どうです?おひとついかがですか?」
私は首を横に振る。
この頭蓋骨は平将門のものではない。真っ赤な偽物だ。何せこの頭蓋骨は大人のものにしては小さすぎる。
こんなものがかの有名な平将門の頭蓋骨なわけがない。
「いえいえ、こいつは正真正銘、平将門の頭蓋骨ですよ。小さいのは…ほら、あれです。この頭蓋骨、平将門の子どもの頃の頭蓋骨だからですよ」
目を泳がせ、必死に言い訳をまくしたてる店主。私は店主にも頭蓋骨にも興味を失った。
店を出ようとする私を店主が呼び止める。
「今なら菅原道真と崇徳天皇の頭蓋骨もつけます!どうかおひとつ、買ってくだせぇ!」
二つの頭蓋骨に視線を向ける。さっきの偽物より小さかった。
公開:23/05/05 21:04

幸運な野良猫

yahoo!サーバーに問題が発生したらしく2022年9月1日より2週間入れなかったので新規にアカウント取得。
半年以上毎日Yahoo!IDでログインを試みるも、現在進行形でログインできない状態です。#EY003って何だ?
運営に報告するも、ずっと無視されております。自動応答メールだけが返ってくる…1年経過で、もう諦めた…

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