予定説

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Aは立派な人格者だった。困っている人を見ると放っておけなくて、自分のやりたいことを犠牲にしてまで助けてあげる人だった。
Bは悪人という程ではないが自分のやりたいことを常に優先して、人のために何かをするということは滅多にしない人だった。
Aはやがて亡くなりみんな氏の死を悲しんだ。普段神の存在やあの世の存在を信じていない人でも、氏は間違いなく天国に行くだろうと信じた。
Bは誰にも看取られず孤独死をした。死後だいぶ経過してから、役所の職員が見つけてくれた。親戚が申し訳程度の葬儀をしてくれた。
しかしAは天国に行けずBが天国に行った。なぜならBはある宗教に入っていたが、Aは入っていなかったからだ。
Aの行く先は分からないが、もし意識があったとしたらしまった駅で配っていた宗教のパンフレットを貰って、入信しておけばよかったと悔やんだことだろう。しかしAは神に選ばれなかったのだから、仕方のないことだ。
その他
公開:23/05/05 18:20

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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