からだ

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海へ帰れない人魚の棲む町の網本の息子が亡くなった。前の晩まで様子に変わったところはなかった。若かったのに。気の大きい、ぼんぼんらしい若さんだったのに。
その朝、人魚は川で念入りに顔と髪と身体を洗っていた身体中から汚れを落とすように必死に自分の身体をこすっていた。そして、人のいない岩陰で横になって休んだ。
公開:23/04/29 10:22

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