琥珀色の恋心 (作・葵琥珀)

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 人が人を好きになり、恋心を抱く事は、相
手が誰であろうと自然な事だろう。
 抱いた恋心が叶えば幸せで、破れたら不幸
になると我々は思い込んでいる節がある。
 恋心は、恋に破れた瞬間までは、恋が叶っ
た瞬間までは、西に傾いた太陽が空を琥珀色
に染める様に美しいものだ。
 反面、他人に対して抱いた恋心の結末は、
如何様であっても無様で苦しいものだ。
 恋に破れた時、人は死にたいと思う程苦し
む事になる。恋が叶った時、人は現実と対峙
して死にたいと思う程苦しむ事になる。
 恋心の終幕は落陽だ。夜の帳が降りると、
空には静かに紺色が広がっていき、輝きを奪
っていくのだ。
 恋は、叶ったり、破れるまでが、最も美し
い時間なのだろう。
 空を琥珀色に染めた夕日が沈み紺色が広が
っていく瞬間は、恋が叶った瞬間にも破れた
瞬間にも似ている。
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公開:23/04/22 17:42

あとりえ足の裏( あとりえ足の裏(https://lit.link/atelierASINOURA) )

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