熊出没注意

深夜、『熊出没注意』と書かれた看板の横を車で通りすぎる。
人気のない山道。熊が出てもおかしくないが、俺達の足はその程度では止まらない。
俺達が今向かっているのは山の奥の、ある金持ちの家。今からそこを襲う。
最悪、家主を殺してしまっても構わない。こんな山奥、誰も助けに来ないしな。
目的地に到着した俺達は扉を破壊し、家の中へと押し入る。
玄関に置かれた『幽霊出没注意』と書かれた看板を見て鼻で笑った。幽霊？いるなら是非見てみたいものだ。
家中を物色し、金目のものをいただく。
人の気配はなく、これは楽な仕事だ…と、思ったその時である。
仲間の一人が包丁を手にし、自身の喉を掻っ切った。
別の仲間が２階の階段の手すりにロープをかけ、首を吊った。
これはヤバい！命の危険を感じた俺は外へと飛び出す。仲間の待つ車へと駆け寄る。
運転席の仲間が絶命していた。
助手席には仲間の肉を美味そうに食う熊の姿があった。