夢実現ロボ

2
2

夢実現ロボが一人一台付くことになった。夢のサポートをロボがしてくれるのである。それは世界一強い男でも、総理大臣でも、宇宙飛行士でも何でもよかった。
ロボが常に励まし、時には慰め叱咤してくれるのである。しかし辞めることだけは決して許してくれなかった。
例えばいつまでもバカをやってばかりもいられないし真面目に働こうと思うと言う男には、何を言ってるんだお前は世界最強の男になるのだろうとロボは怒鳴り殴り飛ばした。
スポーツでプロになろうと思ったけど自分より上手い人は何人もいるし、体も悪くしたので別な道に進もうと思うと言う人には、甘ったれるな体を治して練習してもっと上手くなれとロボは叱咤激励した。
中には夢を叶えられた人もいたがごく小数で、軌道修正も諦念も認められないのでロボはひどく不評だった。
だが巨額の予算を使った計画なので当面続けることになった。ほとんどの人はサラリーマンを夢見るようになった。
ファンタジー
公開:23/04/24 01:38

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容