満月のセブンティーン

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満月の夜になると十七歳の姿になる。それが俺だ。なぜ俺の体は、突然十七歳になってしまうのかは分からなかった。だが突然若返るというのは、実は楽しい、満月の夜は、俺の楽しみである。
さて今日は満月だ。十七歳でいられるのは、夜の間。月が出ている間だけ。つまり午前二時がタイムリミットだ。だから俺は、午前二時まで眠くても徹夜する。というか十七歳の体なら午後二時まで起きているのなんて、全く苦にならないのだ。若さとはすばらしいものだ。今日は何をしようか。そうだな。今日は夜の海を見よう。青春って感じだ。夜の海に行って海を眺めていると、隣に同い年くらいの女の子が座った。
「ねえ。こんなところで何してるの?この辺じゃ見ない顔だね」
「それは俺の台詞だよ。女の子がこんな夜中に外に出ると危ないよ」
それから二人で他愛もない話をした。
そろそろ時間だ。
「またね」
「ねえ、また会える?」
「うん。またいつかね」
公開:23/04/16 20:30

富本アキユ( 日本 )

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Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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