時計の針

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この家に来てすぐできたぼくの弟、そうた。
毎日家中を一緒に走り回ってママに怒られたっけ。
最初はぼくの方がどんどん大きくなって、足も速かったし、
いつもぼくの方が早起きで、ねぼすけなそうたを起こしてやっていた。
かわいいぼくの弟、そうた。
いっつも転んで泣いちゃうそうたを慰めてあげるのも兄であるぼくの役目だった。

あぁ、楽しかったなぁ。



いつの間にかそうたはぼくより早く起きるようになったし、殆ど家にいなくなった。
そうたはどんどん大きくなって、どんどん足も速くなっていくのに、ぼくはそうたと散歩もできなくなっちゃった。

最後に追いかけっこしたの、いつだったかな…
そうた、最近全然泣かないな…

なんだかまた眠くなってきたなぁ…

・・・

「まめ助、また寝てるよ。いいよな、毎日思う存分眠れてさ。」

「そうた、おじいちゃん犬にそんなこと言わないの。見て、この寝顔。かわいいわねぇ。」
青春
公開:23/04/15 22:59
家族

肩幅広重( 限界集落 )

閲覧ありがとうございます。
初の試み

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