ライオンとゾウ

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あるところに一匹のライオンとゾウが住んでいました。ある日、ライオンは自分が世界を支配することが当然であり、他の動物たちは自分に従わねばならないと考えるようになりました。ライオンはますます尊大になり、ガゼルやインパラなどの弱いものを意味もなく襲うようになりました。一方、ゾウはライオンの態度に不快感を覚え、「あんたがどんなに強くてもこの世は暴力や恐怖だけでは支配できないよ」と警告しました。しかし、ライオンは聞く耳を持ちませんでした。そんなある日ライオンは水たまりで思わぬ深みにはまり、溺れそうになりました。「誰か助けてくれ!」と叫んでみても周囲の動物たちは見てみぬふりをしています。しかし突然、ごつごつした長い鼻が伸び、沈みゆく身体を泥水から引っ張り上げてくれたのです。あの口うるさいゾウの仕業でした。その後ライオンは自らの態度を悔い改め、ゾウの後ろに隠れてひっそりと余生を送りました。
ファンタジー
公開:23/04/15 07:46
動物 寓話 権力

アカサカ・タカシ( Chicago )

2022年から米国シカゴ在住。

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