親友

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「すっかり春だねぇ、公園の桜も満開だし」
「むーむむー」
「……喋る時くらい、桜餅離せば?」
「だって〜、あそこのコンビニの桜餅マジで美味しいんだって。一つあげるよ、ほら」
「いらない」
 不満そうな顔で、もう一つの桜餅を食べ始めた友人を呆れた顔で見る。本当にこの友人が、会社のトップと後一ヶ月後に結婚するのか、本気で聞いてみたい。

 桜を見ると思い出す、一人ぼっちで泣いていた私を何時も皆んなの元に連れてってくれていた友人を。そんな優しい友人を見染めたトップは見る目があるんだろうと思う。私には笑顔で祝福するしかない、どんなに友人を愛していても。

 でもね、貴女の友人というポストは誰にも譲らない。それが私の自己満足だとしても。だって、貴女の側に何時迄もいられるんだもの。

「まだ肌寒いね、会社に帰ろ?」
「そうだね」
 私はわざと友人の左側を歩く、まるで桜吹雪に祝福される恋人のように……。
恋愛
公開:23/04/19 09:00
#桜 #片思い

千里 望( 茨城県 )

初めまして

ショートストーリーが好きで自分でも書いてみたく
なって入りました。
もし良ければコメントしてくれるとうれしくて飛び跳ねます。

宜しくお願いいたします。
twitter/@min4126

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