吸血鬼の学校

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生徒たちはまじめに先生の話を聞いていた。
人間の血を吸うにはコツがある。
まず正面から向かうのはダメだ。すぐにバレるし、風情がない。
ベストは夏の夜だ。じっとりとした熱帯夜。むき出しの首筋に、後ろ側からそっと近づく。
ここで耳元からかぶりついたらダメだ。人間の耳は思ったより敏感で、すぐに気づかれてしまう。
ゆっくり、慎重に近づき、牙を突き立てるときは一瞬だ。思いっきり、深く刺す。
十分に人間の血を堪能したら、その場を去る。
いいか分かったか。
「はい!」
生徒たちは元気な声を発しながら、排水溝の水たまりから飛び上がっていった。ブーンと音を鳴らしながら。
その他
公開:23/04/12 08:13

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