悪縁

縁測定器という物を装着することが義務化された。良縁を続けて行くのはいいことだが、悪縁は切り捨てた方がいいという考えからである。
測定器に数値が表示されるのだが、高い数値なら当然付き合いを続けていいという目安になる。しかし数値がゼロになったら、縁を切るということが法律で義務化された。それは親子、生徒教師、上司部下といったどんな間柄でも例外はなかった。
どっちに非があるかと問うのはややこしいし、プライドの問題もあるのでそれはしなかった。ただ縁が切れたのに接触を図るとブザーが鳴り警察に捕まるため、大抵の人は素直に従った。
表面的には問題が無いような関係でも無理に関係を続けて行くのは後々に大問題を起こしかねないので、これでよかったのだろうと皆納得した。実際新たな出会いがあってあの人と縁が切れてよかったと皆が感じた。
操られているような気がする人もいたが、悪縁が切れて幸せを感じる人のが多かった。