ステンレス製の三角定規

「勿体ない」、「自分ならそんなことしないのに」、「こうしたらいいのに」
話をしていると、こう言われることがある。
純粋に有り難い時もあれば、有難迷惑な時もある。良かれと思って言ってくれているのは分かる。だが、不用意に自分の、または社会一般的な物差しでこちらの中身を測って欲しくはない。
私の定規は、多分、普通の定規ではないのだろう。大人として自分を繕うことはできる、それでも隠しきれない無知に物差しが当てられる。軽く流せば済む作業も繰り返されれば重くなる。
だから私は自分の定規を選ぶ。ステンレス製三角定規。
しなり強く曲がって跳ね返す。剥げない数字は良いのか、悪いのか。
中々ニッチな定規を選びたい。

それに、定規の間にある穴にえんぴつを差し込めば、ぐるぐる回すことができる。
自分の幼さも大事にしていきたい。