助言手帳

助言手帳というのができた。自分の今の境遇、予定などを書き込むと手帳が何日の何時からこれをやりなさいと予定を書いてくれるのである。
自分を律することが苦手な人には重宝された。例えば何日の何時から部屋を掃除しなさいとか、何時から何時まで勉強をしなさいと書いてあれば、じゃあそうしようかという気になった。
中には、そうは言っても気が乗らないなとか用事が入ったからとその通りにしない人も多かった。そうした場合でも手帳は咎めることをしなかった。
それどころかできたことを肯定してくれた。やれたことを丸をつけて評価してくれた。
主婦とか、あまり人から評価されることの少ない仕事をしている人たちにも喜ばれた。やって当たり前と思われがちなことでも、認めてもらえるのはありがたいことなのである。
自己否定が強い人はできなかったことばかりを考えて自分を責めてしまうが、肯定することが大切だと気づいた人が多かった。