ネジを締める

この春、部長へと昇進した私はまず、皆のネジを確認した。
新年度のスタート、気を引き締めている者もいるだろう。それは良い事だがマイナスネジを多用している者が多い。
マイナスネジを頭に多用するとマイナス思考に陥りやすい。
マイナスネジを心に多用すると疑心暗鬼になりやすい。
だから、いくつかプラスネジへと替えておく。マイナス思考の現実的観点は仕事に必要だが、プラス思考の希望的観点は改善に必要だ。
それと締めすぎないよう、少し遊びを持たせる。
緩いと危なくないかって？危ないね。だからこうして、部長である私が定期的に確認する。
部下と触れ合う時間は信頼関係に直結する。
確認の際、私は部下の喉のネジを少し緩くする。この時間だけは弱音も本音も、心のネジを緩くした広い心の私がいくらでも受け入れてやろう。
前の部長はネジを力いっぱい締め、人間関係にも心にもヒビを入れまくっていた。典型的なパワハラ男だったよ。