便利なバッグ

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おれは便利なバッグを持っていた。バッグに書類とかノートを入れておくと、それを処理してくれるのである。
具体的に言うと学生時代、宿題を忘れたことがあった。先生に叱られるのを覚悟で嫌々ながら学校へ行ったのだが、おかしなことに宿題がきちんとやってあった。単なる思い違いか家族が変な気を利かせてやってくれたということではなく、そういうことが何回もあった。よくわからんが便利だなと何回も利用させてもらった。
試験前にはここが出るぞと、ご丁寧にノートに線が引かれていた。そのバッグのサポートもあり一流大学に入れて一流企業に入ることもできた。
仕事も割と順調に熟せれてプレゼンも任されるようになった。おれはプレゼンにあまり熱を入れてなかった。いつも通りバッグが線を引いてくれた箇所を読み上げればいいと思っていた。
だが線は引いてなくてプレゼンは失敗した。出世には興味なかったから丁度よかった。それもバッグの配慮か。
その他
公開:23/03/31 15:40

ぴろわんこ

少し変わった、ブラックな話が好きです。

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