こんなものは小説ではない

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「くだらない。こんなものは小説ではない」
そう言ってビリビリと私が印刷した長編小説は、その場で破り捨てられた。
「あっ……ああっ……」
酷い。どうしてそんなことをするの。私が一生懸命書いた小説だったというのに。
「うっ……ううっ……」
私は思わず泣いてしまった。とても悔しかったからだ。絶対にこの人に面白いと言わせる小説を書いてやる。そう心に決めて私は、先生の家を後にするのだった。
それから月日は流れ、私は新作の小説を書いた。今度は大丈夫。絶対に面白い。そう確信している。
「くだらない。ダメだ」
そう言って、またしてもビリビリに原稿用紙を破られてしまった。
「どうして……。一体何がいけないんですか」
「全部だ。お前は根本的に間違っている」
「と、まあこんな感じで、小説家を目指す主人公が先生に何度も作品を破られる話を書いてみたんですけど、どうですか?先生」
「私が凄く嫌な奴みたいだから却下」
公開:23/04/01 08:30

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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