旅ゼリー

2
5

無料で美味しい旅が出来るという広告を見て、宇宙旅行に参加した。
目的地の惑星へ移動中、時間があったので一眠り。
目が覚めると、俺以外乗客がいない。
着いたなら起こしてほしかった。
追いつくために急いで外へ出る。
地上には、色んな大きさのゼリーがあちこちに生えていた。
色とりどりで、すごく綺麗だ。
ゼリー達は、まるで生きているかのようにぷるぷると揺らしている。
「あら、まだ残ってたのね。こんにちは、お兄さん」
振り向くと、透き通った白い肌の女性がいた。
「旅行の記念に旅ゼリーをどうぞ」
女性から一口サイズの虹色ゼリーを手渡される。
折角なので早速いただく。
柔らかくてすごく美味しい。
飲み込んだ瞬間、身体が動かなくなる。
「あなた達は、私の美を保つための食糧。あんな広告に騙されるなんて馬鹿ね」
逃げようとしたが、身体をぷるぷると揺らすことしか出来ない。
美味しい旅は、食べられるほうだったか。
その他
公開:23/03/31 22:04
プチコン

たーくん。( 関西 )

ショートショートが好きで登録させてもらいました。
よろしくお願いします!

僕の書いた話が、頭の片隅に残ってくれたら嬉しいです。

★Twitter
https://twitter.com/ta_kun0717

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容