ホットドッグ・エクスプレス

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「さあ祐司、今日は野球を観に行くぞ」
スタジアムの歓声はいつも僕をわくわくさせる。それに父さんが買ってくれるホットドッグもだ。こいつがなきゃ始まらない。
「僕、将来野球選手になる!」
ホットドッグにかぶりつきながら僕は宣言した。
「そしたら毎日野球観られて、毎日ホットドッグ食べられるもん!」
「そうかそうか。いいな、夢は大きい方がいい」
父さんが嬉しそうに笑う。
僕はそうしてホットドッグ・エクスプレスに乗った。

列車は、時に遅れたり止まったり。
でも僕は旅を続けた。
そして今、ひとつの山に辿り着く。

ボールワン、ストライクツー。

「Come on,Yuji!」

でかいバッターの後ろで相棒が叫ぶ。
マウンドからの景色は最高だよ、父さん。
父さんにも見せてあげたい。

でもここは終着点なんかじゃない。

だって父さん、知ってるかい?
アメリカのホットドッグは、もっともっとでかいんだぜ。
その他
公開:23/03/31 12:17
更新:23/03/31 12:18
野球 ホットドッグ ピッチャー MLB WBC 時事ネタ プチコン

秋田柴子

2019年11月、SSGの庭師となりました
現在は主にnote・TALES・公募でSS~長編を書いています
留守ばかりですみません

【活動歴】
・第2回 日本おいしい小説大賞 最終候補(小学館)
・第31回やまなし文学賞 佳作『雨を知るもの』
・創作大賞2025 入選 『栗と牡丹』
・SSアンソロジー『ベリショーズ』寄稿
・ホラーアンソロジー『ウタ・カタ』寄稿

【刊行】
・第31回やまなし文学賞受賞作品集(山梨日日新聞社)
・栗は月色、こがね色 和菓子処長月堂(朝日文庫)
 

【note】
 https://note.com/akishiba_note

【Twitter】
 https://twitter.com/CNecozo

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