旅するおっさん

多くのおっさんは、風や水や動物などを利用して遠くまで旅をします。
風を利用するタイプのおっさんはふわふわの脛毛を持っています。脛毛は、おっさんが風に乗って移動するのを助けています。
また、羽の生えたおっさんもいます。頭頂部に生えた２枚の羽をプロペラのように回転させることで、より遠くまで飛んでいくのです。
水を利用するおっさんはお腹が大きく膨らんで水に浮くようになっています。水面を漂っている姿は一見溺死体のようですが、心配はいりません。新しい土地にたどり着くと、自分で上陸してそこに居座ります。
動物を利用するおっさんは全身を鍵爪状のトゲで覆われていて、人間の衣服や動物の毛皮にくっつきます。くっつかれた動物は気が付かずにそのまま移動し続け、結果的におっさんを遠くまで運ぶことになります。
こうして長い旅を終えたおっさんは、パチンコをしたり昼間から酒を飲んだりして、その土地で命を繋いでいくのです。