山の向こうに
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なにかおかしい。
自転車で山越をしていると、ペダルが重かった。
「パンクだ!」
右足のすねに小さな穴が開き、空気が漏れていた。このままではまずい。僕は再び自転車を漕ぎ始めた。
「この山を越えれば!」
海が見えるはず。海水客に空気をもらおう。
しかし、力が入らない。ペダルを踏む度、膝がふにゃりと歪む。両手も皺が増えてきた。
「一人で旅なんて無理なのか」
なんとか山を越え、赤く染まる海を見下ろすと同時、僕は意識を失った。
ーーシュコシュコ
目を覚ますと、砂浜で女の子が空気入れのハンドルを押していた。
「気がついた?」
頬を夕陽に染める彼女の笑顔に、僕は一瞬で心を奪われた。
「あの!」
口からホースを外すと、逆止弁が外れた僕の口から空気が勢いよく飛び出した!
僕の体が宙を舞った。
ふと、右足の絆創膏に気づいた。僕は彼女にありがとう、とヒラヒラ大きく手を振った。
自転車で山越をしていると、ペダルが重かった。
「パンクだ!」
右足のすねに小さな穴が開き、空気が漏れていた。このままではまずい。僕は再び自転車を漕ぎ始めた。
「この山を越えれば!」
海が見えるはず。海水客に空気をもらおう。
しかし、力が入らない。ペダルを踏む度、膝がふにゃりと歪む。両手も皺が増えてきた。
「一人で旅なんて無理なのか」
なんとか山を越え、赤く染まる海を見下ろすと同時、僕は意識を失った。
ーーシュコシュコ
目を覚ますと、砂浜で女の子が空気入れのハンドルを押していた。
「気がついた?」
頬を夕陽に染める彼女の笑顔に、僕は一瞬で心を奪われた。
「あの!」
口からホースを外すと、逆止弁が外れた僕の口から空気が勢いよく飛び出した!
僕の体が宙を舞った。
ふと、右足の絆創膏に気づいた。僕は彼女にありがとう、とヒラヒラ大きく手を振った。
その他
公開:23/03/26 00:05
更新:23/03/26 13:22
更新:23/03/26 13:22
旅
マイペースに書いてきます。
感想いただけると嬉しいです。
100 サクラ
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