通帳と残高

「お前、預金残高少なすぎるだろう」
先輩が僕の預金通帳を盗み見て鼻で笑う。
「かわいそうに…お前、この額じゃ一生結婚できないぞ…」
そして僕を憐れんだ目で見下した。

僕は仕返しに先輩の余命通帳を盗み見た。
「先輩は預金残高こそ多いものの、余命残高が少なすぎますね」
この残高の少なさは笑えない…
「かわいそうに…でも大丈夫ですよ。この預金額なら、先輩と結婚したいって女性いっぱいいると思います」
でも憐みの目はしっかりと向けてやった。